Recalibration™

「どれを?」

Recalibration tunes presence.

— リキャブリの視点で —

言葉の響きから

— リハビリ、リカバリ、リケブリ、リキャリブ —

ここまで、Recalibration™の背景について、いくつかの異なる角度からご説明してきました。
ここでは少し視点を変え、似た響きを持つ言葉を並べながら、Recalibration™の位置を考えてみます。

リハビリ ⇐ rehabilitation

リカバリ ⇐ recovery

リケブリ ⇐ recabling

リキャリブ ⇐ recalibration

似ているようで、少しずつ異なる響きです。

「リハビリ」は、Rehabilitation。
「リカバリ」は、Recovery。
その間に、Recablingという言葉を置き、ここでは言葉の流れに合わせて「リケブリ」と呼んでみます。
そして、Recalibration™を短く響かせて、「リキャリブ」と置きます。

これは、学術的な用語の分類ではありません。
「リケブリ」と「リキャリブ」は、この頁でそれぞれの考え方の違いを見渡すために置いた、言葉の上での小さな試みです。

Rehabilitation:リハビリテーション

リハビリテーションは、病気や外傷などによって生じた機能、活動、社会参加上の課題に対して、ご本人と医療・福祉の専門職が協力して取り組む重要な過程です。
身体機能の改善だけでなく、ご本人が大切にしている生活、仕事、家庭での役割、社会参加を支えることも含まれます。

本来、リハビリテーションの目標は、専門職が外側から一方的に与えるものではありません。
ご本人にとって何が大切かを確かめながら、期待できることと限界、負担、実施期間、見直す時期などを共有し、必要に応じて変更していくものです。

Recalibration™は、医療的なリハビリテーションに代わるものではありません。
機能訓練、医学的評価、専門職による支援が必要な方に、それらを受けないよう勧めるものでもありません。

それでも残る問い――目標は、誰のものか

リハビリテーションを受ける中で、次のような問いが生じることがあります。

・その目標は、誰が決めたのでしょうか。

・ご本人が望んでいることと、専門職が良いと考えることは、十分に話し合われているでしょうか。

・何を行うことで、何がどの程度期待できるのか。

・反対に、何が難しく、どのような負担があり得るのか。

・いつ評価し直し、どこで継続、変更、終了を判断するのか。

・次々に高い課題へ挑戦することが、ご本人の生活よりも優先されてはいないでしょうか。

・訓練を続けること自体が、目的になってはいないでしょうか。

・「より良くなるため」という予定や課題によって、生活の余白まで満員になってはいないでしょうか。

・休むこと。

・いったんやめること。

・目標を変えること。

・別の支援を選ぶこと。

これらも、ご本人の選択として認められているでしょうか。

この問いは、リハビリテーションを否定するためのものではありません。
リハビリテーションが、専門職や制度のためではなく、ご本人の生活のためのものであり続けているかを確かめるための問いです。

Recalibration™が対置するのは、リハビリテーションそのものではありません。
ご本人の意思が置き去りにされ、外から与えられた目標と反復が自己目的化してしまう状態です。

Recovery:リカバリー

Recoveryは、病気、けが、疲労などから回復することを意味します。
また、精神保健などの領域では、症状をなくして以前と同じ状態へ戻ることだけでなく、症状や困難を抱えながらも、ご本人が自分らしい生活を組み立て直していくという意味でも用いられます。

Recalibration™も、必ず過去の状態へ戻ることだけを目標にはしません。
「以前の自分」を唯一の正解として追い続けるのではなく、現在のご自身が何を感じ、今後どのようにありたいと考えているのかを確かめます。

回復を急いで定義する前に、現在地を見直すための視点です。

Recabling:ここでは「リケブリ」

Recablingは、本来、配線やケーブルをつなぎ直すこと、あるいは配線をし直すことを意味します。

現代の私たちは、スマートフォン、SNS、メール、ニュース、通知、他者からの評価など、多くの情報へつながりながら生活しています。
つながることは必要です。
しかし、接続が増えるほど、ご自身が今、何に反応し、どこへ注意を向けているのかが分かりにくくなることがあります。

Recalibration™は、外部とのつながりをすべて切ることや、孤立することを勧めるものではありません。
ここでいう「リケブリ」は、つながりを増やすことでも、すべて断つことでもなく、

「今、自分は何とつながり、何に注意を向けているのか」

を確かめ直すための、言葉の上での比喩です。

Recalibration:ここでは「リキャリブ」

Recalibrationは、再調整、再校正、あるいは測定の基準を、その時点の条件に合わせて確かめ直すことを意味します。

Recalibration™は、外側から一つの目標を与え、その目標へ向かって訓練を続ける方法ではありません。
あらかじめ決められた到達点もありません。
必ず改善しなければならないという条件もありません。
何らかの変化が起こるまで、反復を求めるものでもありません。

まず、ご自身が今どのように感じているのかを確かめます。
正面へ視線を置いたとき、どのように感じるか。
足元や椅子との接触を、どのように感じるか。
身体の左右に何か違いを感じるか。
あるいは、特に何も感じないか。

そこから先に、

・続けること。

・休むこと。

・いったんやめること。

・医療機関に相談すること。

・必要なリハビリテーションを受けること。

・現在の目標を見直すこと。

そのどれを選ぶかは、外側から一つに決められるものではありません。
必要な情報や支援を受けながらも、ご自身が選択の主体であり続けることを大切にします。

ここでいう「調律」は、身体を外側から望ましい形へ変えることではありません。
ご自身が、今の状態をどのように感じ、次に何を選ぶのかを考えるための基準を、いったんご自身の側へ戻してみることです。

「リキャリブ」は、Recalibration™の正式な略称ではありません。
この頁では、

リハビリ

リカバリ

リケブリ

リキャリブ

という言葉の響きを通じて、Recalibration™の位置を考えるための、名称からの比較と考案も挙げてみました。